高知の端っこ、という言い方は失礼だ。 でも宿毛は、確かに「端」にある。 だからこそ、ここまで来た人だけが見られるものがある。 沖の島の海の色。 大月の岬から見える水平線。 誰かに教えたくなる景色が、ここにはあった。
宿毛のおすすめスポット
ビオスの里(沖の島)|フェリーで1時間、その先に本物の海があった
宿毛港を8時50分発のフェリーに乗る。
片道1時間ちょっと。
料金は大人1,440円。
船が沖へ出るにつれて、海の色が変わっていく。
緑がかった灰色から、透き通った青へ。
「あ、これが本当の海だ」と思った瞬間があった。
ビオスの里は、沖の島の南側にある。
集落からさらに歩いて20分ほど。
道中、誰ともすれ違わない。
到着したとき、海と山が重なる景色がそこにあった。
シュノーケルをすると、魚が目の前を泳いでいく。
水温は夏なら28度前後。
透明度が高くて、5メートル先まで見える。
ここに来るためだけに、宿毛まで来てもいい。
それくらいの場所だ。
宿毛市立坂本登美子記念館|名前も知らずに入ったら、圧倒された
正直に言うと、最初は素通りするつもりだ。
外観が地味で、観光地っぽくない。
入館料は無料。
それだけで入ってみた。
坂本登美子は宿毛出身の画家で、1920年生まれ。
戦後の混乱期を生き抜きながら、絵を描き続けた人だ。
館内に入った瞬間、空気が変わった。
大きな油彩画が壁を埋めている。
南国の花、漁村の女性、土佐の海。
色が濃くて、力強くて、少し怖いくらいだ。
30分のつもりが、1時間以上いた。
学芸員さんが丁寧に説明してくれた。
お客さんは自分だけだったから、ほぼマンツーマン状態。
「宿毛にこんな人がいたんだ」という発見。
旅先でこういう出会いがあると、来てよかった。
大月の景色|岬の先端に立ったら、海しかない
宿毛から車で約40分。
大月町の海岸線を走ると、景色が変わっていく。
柏島方面へ向かう道が特によかった。
山を切り開いた道の先に、突然、海が広がる。
ブレーキを踏んで、思わず車を止めた。
柏島は四方を海に囲まれた小さな島。
橋でつながっているから車で渡れる。
島の人口は約200人。
でも海の透明度は日本トップクラスと言われている。
橋の上から海を見下ろすと、船が「浮いている」ように見える。
船底まで丸見えなのだ。
初めて見たとき、目を疑った。
夕方16時ごろ、光が海に斜めに差し込む時間帯がいちばんよかった。
スマホのカメラでは、あの色は撮れない。
目に焼き付けるしかない景色というのが、ある。