山の奥、さらに奥。 ナビが「この先、道が細くなります」と警告を出した先に、宝川温泉はある。 群馬県みなかみ町。 最寄りのコンビニまで車で30分以上かかる場所に、日本最大級の露天風呂がある。 冬に来ると、雪と湯けむりが混ざって、現実の輪郭がぼやける。 そういう場所だ。
宝川温泉のおすすめスポット
汪泉閣|築100年の宿が、時間の感覚を狂わせる
チェックインしたのは午後3時。
フロントで鍵を受け取った瞬間、スマホの電波が1本になった。
そういう宿だ。
汪泉閣の建物は昭和初期から増築を重ねてきた、迷路みたいな構造をしている。
廊下を歩くたびに軋む音がする。
天井が低い。
窓から見える川の音が、ずっと聞こえる。
部屋は和室で、布団は自分で敷くスタイル。
テレビはある。でもほとんど見ない。
夕食は山の幸が中心。
イワナの塩焼き、きのこの天ぷら、猪のすき焼き。
料理が運ばれてくるたびに、どこで獲れたのか聞きたくなった。
1泊2食付きで1万5千円前後から。
この場所にあるものを考えると、安い。
宝川沿い露天風呂|雪が降っている中に、全裸で立つ
宝川温泉の露天風呂は4つ。
総面積470㎡、収容人数200人以上。
そういう数字より、実際に入ったときの感覚の方が伝わるだ。
脱衣所を出ると、いきなり外だ。
足元は雪で、空気は氷点下。
全裸で5歩歩いて、湯船に飛び込む。
湯は41度前後でぬるめ。
だから長く入っていられる。
気づいたら1時間経っていた、ということが普通に起きる。
川が目の前を流れている。
湯けむりの向こうに、雪をかぶった杉の木がある。
空が狭い。山に囲まれているから。
その「狭い空」が、かえって落ち着く。
女性専用の「子宝の湯」、混浴の「般若の湯」「摩耶の湯」「天女の湯」と種類がある。
混浴でも、湯あみ着レンタルが500円であるので初めてでも安心だ。
谷川岳|片道30分のドライブが、別世界への入口になる
宝川温泉から車で約30分、谷川岳ロープウェイの乗り場に着く。
天神平まで約15分、標高1,319m。
冬に行くと、景色が全部白くなる。
木が雪をかぶって、枝の形が変わる。
地面と空の境目がわからなくなる。
ロープウェイを降りた瞬間の風が強い。
顔が痛い。でも目が覚める。
谷川岳は「魔の山」と呼ばれる。
遭難者数が世界最多という記録があるほどの山だ。
その山を、ロープウェイで上から眺める。
登山するつもりがなくても、来た方がいい。
あの高さから見える、みなかみの山々の連なりは、写真では半分も伝わらない。
天神平にはスキー場もある。
板を持ってくれば、温泉と雪山を1泊で両方楽しめる。
そういう旅を考えている。
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宝川温泉への行き方
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