凍てつく空気の中、湖面が静かに光っている。 田沢湖は、冬にこそ来るべき場所だ。 標高249mの湖は、真冬でも全面結氷しない。 その深さは423m。日本で一番深い。 数字で聞くより、実際に立った方がずっとわかる。 あの底知れない青を、一度見たら忘れられない。
田沢湖のおすすめスポット
田沢湖|日本一深い湖が持つ、底知れない青
湖岸に降り立った瞬間、風が止まった。
冬の田沢湖は、静かすぎるくらい静かだ。
観光客もほとんどいない。
その分、湖と正面から向き合える。
水の色が、とにかく独特だ。
コバルトブルーとも違う。
もっと暗くて、深くて、少し怖い青。
深さ423mの底が、そのまま色になったみたいだ。
湖一周は約20km。
車で回ると40分ほど。
でも、途中で何度も止まりたくなる。
光の角度で色が変わるから、歩みを止めるたびに違う湖がある。
冬の早朝6時台、湖面に霧が立ちこめた。
その光景を見たくて、前泊したのは正解だ。
あの朝の田沢湖は、誰にも教えたくない。
たつこ像|雪の中に立つ、金色の孤独
雪をかぶったたつこ像は、想像より小さかった。
そして、想像よりずっと美しかった。
像の高さは約2m。
台座を含めると約4m。
金色の像が、灰色の冬空に映えている。
伝説では、たつこは永遠の若さと美しさを願い、
湖の龍神になったとされている。
湖底に今も眠っているという話を、
現地のおじさんが教えてくれた。
夏は観光客がずらりと並ぶらしい。
冬は誰もいない。
たつこ像と、湖と、自分だけ。
そういう時間が、旅の本当においしいところだ。
像の足元まで近づくと、湖がすぐそこにある。
水際ギリギリに立って、深呼吸した。
冷たい空気が肺に刺さって、なぜか清々しかった。
乳頭温泉郷|山奥にある、本物の湯治場
田沢湖からバスで約40分。
山道をぐねぐね登った先に、乳頭温泉郷がある。
7つの宿が点在する、秘境中の秘境。
鶴の湯に行った。
日帰り入浴は10時から。
料金は600円。
混んでいるかと思ったが、平日の午前中は空いている。
露天風呂に浸かると、目の前は雪景色だ。
お湯の温度は少し熱め。
じっとしていると、じわじわと体の芯が温まってくる。
雪がちらちら落ちてきた。
湯船の中にいる自分が、信じられない。
乳白色のお湯は、硫黄の香りが強い。
入った後、肌がしっとりする。
翌日、肌の調子がいつもより明らかによかった。
宿の前の茅葺きの建物も、そのまま時が止まったみたいで、
写真を撮ることも忘れて、ただ眺めている。
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田沢湖への行き方
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