山形新幹線を降りると、空気がちがう。 東京の喧騒が遠くなって、果樹園の甘い匂いが漂ってくる。 寒河江は、さくらんぼだけじゃない。 1200年の歴史を刻む古刹があって、ダムの青い水があって、 そして想像以上においしいものがある町だ。
寒河江のおすすめスポット
慈恩寺|1200年分の静けさが、境内に残っている
正直、期待より全然すごかった。
奈良時代に建てられたというこの寺、参道の杉並木をくぐると空気が変わる。
木々の高さが15メートルはある。
真夏でも涼しくて、汗がひいていくのがわかった。
拝観料は400円。
それで入れる空間の密度が半端じゃない。
国の重要文化財に指定された本堂は、修復を経ても古さが消えていない。
木材の黒ずみ、軒の反り、足元の石畳。
どこを見ても時間の重みがある。
平日の昼間に行ったら、ほぼ貸し切りだ。
境内のベンチに座って、30分くらいぼーっとしてしまった。
こういう時間を「無駄」と呼ぶ人とは、旅の話をしたくない。
駐車場から本堂まで徒歩5分ほど。
足元が石畳なので、スニーカー推奨。
さくらんぼひがしね|路地裏の直売所で、冷えたさくらんぼを食べる幸せ
6月の寒河江を走ると、あちこちに「さくらんぼ直売所」の手書き看板が出ている。
どこに入ればいいか迷うけど、東根エリアに向かうと選択肢が増える。
「さくらんぼひがしね」は産直施設で、地元農家が持ち込んだ旬の果物がずらりと並ぶ。
佐藤錦の200g入りパックが700円前後から。
スーパーの倍の値段だけど、味が全然ちがう。
一粒口に入れた瞬間、甘みと酸みが同時にくる。
「あ、これがさくらんぼの本来の味か」。
それまで食べていたものが何だったのか、少し悲しくなるくらいだ。
併設の食堂では、さくらんぼソフトクリーム350円が売れている。
甘さが上品で、観光地っぽい派手さがない。
むしろそれがいい。
7月に入ると品薄になるので、さくらんぼ目当てなら6月中旬が狙い目。
寒河江ダム|湖面の青さを、ひとりで眺めていた午後
「ダムって観光スポットになるの?」。
行ってみて、その考えを撤回した。
西川町との境にある月山湖とも呼ばれるこのダム、とにかく水の色がおかしい。
青というか、エメラルドというか、自然の色とは思えないくらい鮮やかだ。
堤体の高さは112m。
上から覗き込むと足がすくむ。
でも目が離せない。
7〜8月の期間限定で、日本最大級の放水ショーが開催される。
毎時0分と30分、高さ112mから水が噴き上がる。
その瞬間、思わず声が出た。
周りにいた地元のおじさんも「毎年来てるけど飽きないな」と言っている。
隣接する「月山湖水の文化館」は入館無料。
ダムの仕組みが展示してあって、小学生くらいの子どもなら夢中になる。
駐車場から湖畔の遊歩道を歩けば30分ほど。
のんびり歩ける気持ちのいいコースだ。