高知市から車で2時間半。 どんどん民家が減って、山が深くなって、やがて海が見えてくる。 土佐清水は、そういう場所だ。 「遠い」という言葉が、ここでは褒め言葉になる。 たどり着いたときの達成感と、目の前に広がる黒潮の青さ。 その組み合わせが、他の岬とは別物にしている。
土佐清水のおすすめスポット
足摺岬|灯台の白と、黒潮の青が、ぶつかる場所
駐車場から歩いて約10分。
そこまでの道が、いい。
椿のトンネルが続いて、空気がひんやりする。
開けた瞬間、海が全部見える。
水平線が異様に高く感じた。
黒潮が近いせいだろう、海の色が濃い。
紺というより、深みのある藍色だ。
灯台は高さ18メートル。
白い塔身が青空に映える。
予想より小さくて、でも存在感があった。
崖の縁ギリギリまで遊歩道が整備されていて、足がすくんだ。
柵があるのに、こんなに怖いのか。
それだけ高さがある。
波の音だけが聞こえる時間があった。
観光地なのに、誰もしゃべっていない。
たぶん皆、同じ気持ちだ。
岬の突端に立つと、日本の端っこに来た、という実感がある。
そのためだけでも、2時間半かける価値はあった。
竜串海岸|砂岩が削られて、異星みたいな景色になっている
足摺岬から車で20分ほど。
ここは正直、期待していない。
行ってみて、驚いた。
巨大な砂岩の地層が、波に削られてできた奇岩群。
名前がついていて「機関車岩」「スダレ岩」などと案内板がある。
その命名センスが昭和で、ちょっと笑った。
でも笑えなくなる。
間近で見ると、スケールがおかしい。
何千万年かかってこうなったのか。
層が細かく刻まれていて、触ると崩れそうだ。
実際に手で触ったら、砂がさらっと落ちた。
海の透明度も高い。
波打ち際を歩くと、底の岩まで見える。
ウミウシがいた。
真剣に探してしまって、30分経っている。
遊歩道は全長約800メートル。
舗装されているので歩きやすい。
潮が引いた午後に行くと、岩の間に水たまりができて、生き物観察が捗る。
ここは子どもより大人のほうが夢中になる。
ジョン万次郎資料館|14歳で漂流して、帰ってきた男の話
土佐清水の中心部にある、小さな資料館だ。
入館料は500円。
建物も展示も、派手さはない。
でも、中を見始めると止まれなくなった。
ジョン万次郎こと中濱万次郎は、1841年に漁師として出た海で遭難した。
14歳だ。
アメリカの捕鯨船に救助されて、そのままアメリカへ。
日本人として初めてアメリカに長期滞在した人物だ。
帰国したのは10年後。
31歳になっている。
展示を見ていると、どんな気持ちで海を渡ったのか、ずっと考えてしまった。
「恐怖」だったのか、「好奇心」だったのか。
おそらく両方だ。
当時の帆船の模型があって、小さかった。
これで太平洋を渡ったのか、と立ち止まった。
所要時間は40〜60分くらい。
出口を出たとき、少し違う目で海を見た。
あの海を、14歳が渡った。
そう思うと、景色の見え方が変わった。
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土佐清水への行き方
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