船が港に近づくにつれ、島全体が緑に覆われているのがわかる。 ここは東京から南へ約140km。 でも、そんな数字はすぐに忘れる。 椿の香りと、波の音と、ほとんど誰もいない道。 利島には、そういう静けさがある。
東京・伊豆諸島に属する離島で、竹芝客船ターミナルから高速ジェット船で約2時間30分で渡れる。玄関口は利島港。島の大半を椿林が占め、2月には鮮紅の花びらが地面を深紅に染める光景の中を歩ける。標高508mの宮塚山では稜線に出ると紺碧の太平洋と島の丸いシルエットが一望できる。車は不要で、港を起点に徒歩で主な見どころを回れる小さな島だ。宿に泊まれば、昼の海と夕暮れ、夜の島まで1泊で体験できる。椿の赤が地を覆う、2月の利島。
利島のおすすめスポット
椿林|島全体が、1月から3月だけ甘く匂う
利島の面積の約8割が椿林だと聞いて、最初はピンとこない。
実際に林の中に入って、やっとわかった。
頭上がずっと椿で覆われている。
足元には落ちた赤い花が積もっている。
踏むのがもったいなくて、少し端を歩いた。
島で生産される椿油は年間約3〜4トン。
国内シェアのかなりの割合を占めるらしい。
それだけの量が、この小さな島から出ている。
1月下旬から3月が見頃だ。
午前中に訪れた方がいい。
光が林の中に差し込んで、赤と緑のコントラストが強くなる。
観光客は少ない。
静かすぎて、自分の足音が気になった。
そのくらい、誰もいない。
宮塚山|標高432m、頂上で一人になる感覚
「登山、というほどじゃないよ」と乗船前に言われた。
実際は、なかなかきつかった。
登山口から頂上まで約1時間半。
途中から道が細くなる。
椿の枝が顔に当たる場所もあった。
標高432m。
それほど高くない。
でも、頂上に出た瞬間の景色は別だ。
360度、海。
大島が見える。
新島も見える。
天気がよければ富士山まで見えると地元の人が言っている。
その日は少し霞んでいたけれど、それでも十分だ。
頂上に着いたのは朝9時ごろ。
ほかに誰もいない。
風がずっと吹いている。
30分くらい、ただそこに立っている。
スニーカーでも登れるが、雨の翌日は泥が深い。
長靴があると助かった。
利島港|島の玄関口で、時間の流れが変わる
東京・竹芝桟橋から高速ジェット船で約2時間。
大型船だと約7時間かかる。
どちらにしても、着いた瞬間は同じだ。
港が小さい。
本当に小さい。
商店が1軒、宿が数軒。
それで島の中心部はほぼ全部だ。
驚いたのは、波が高いと船が欠航すること。
利島は外洋に面した港しかない。
うねりに弱い。
実際、1泊の予定が2泊になった人を宿で見かけた。
帰りの船の時間は必ず前日に確認した方がいい。
アプリ「東海汽船」で運航状況がわかる。
港の近くに小さな浜がある。
遊泳禁止ではないが、流れが強い。
足を浸けるくらいがちょうどよかった。
透明度は、信じられないくらい高かった。
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利島への行き方
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宿数が少ないため早めの予約を。
東京を拠点に利島へ日帰り・宿泊の旅も便利です
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