水の街、土浦。 霞ヶ浦の広さに、最初は言葉を失った。 湖なのに、海みたいに広い。 その岸沿いをのんびり走って、城跡で深呼吸して、秋には日本最大級の花火を仰ぎ見る。 派手さはない。 でも、ここには「また来たい」と思わせる静かな引力がある。
土浦のおすすめスポット
霞ヶ浦サイクリングロード|湖の風が、余計なものを全部持っていく
早朝6時半、レンタサイクルを借りた。
料金は1日1,000円ほど。
走り始めてすぐ、視界が一気に開ける。
霞ヶ浦の湖岸線は約180km。
全部走る必要なんてない。
土浦港から美浦方面へ20kmほど走るだけで、十分すぎるくらい景色に満たされる。
湖面が朝日を跳ね返している。
カワウが水面を走るように飛んでいった。
車の音がほとんど聞こえない。
正直、こんなに気持ちいいとは思っていない。
関東にこんな道があったのか、と少し悔しくなった。
風は常に向かい風な気がするのは気のせいではないらしい。
帰り道で納得する。
それでも漕ぎ続けてしまうのは、景色のせいだ。
サイクリングロードは舗装されていて走りやすい。
休憩できるベンチも点在している。
コンビニは少ないので、補給食は出発前に用意しておくべきだ。
土浦城跡(亀城公園)|水堀に浮かぶ城が、静かに時代を抱えている
「亀城」という呼び名が好きだ。
水に浮かぶ亀のように見えるからそう呼ばれている。
実際に行くと、なるほど。
土浦城は、現存する本丸跡の面積こそ小さい。
でも水堀がきれいに残っていて、橋を渡る瞬間に少し空気が変わる感じがした。
東日本では珍しい「現存する二重櫓」がここにある。
江戸時代そのままの木造建築が、ほぼ手を入れずに立っている。
それが想像以上に迫力があった。
入場は無料。
混雑もない。
平日の午前中、地元の人が犬を散歩させている。
城跡が日常の一部になっている街は、どこか豊かだ。
城内の土浦市立博物館は大人200円。
藩政期の資料が丁寧に展示されている。
30分あれば十分見られる。
のんびり歩いて、ベンチで堀を眺めた。
観光地のせかせかした感じが一切ない。
それが一番よかった。
土浦花火大会|夜空が割れるって、本当にそういうことだ
毎年10月の第1土曜日、土浦の夜が変わる。
全国花火競技大会、通称「土浦の花火」。
打ち上げ数は約2万発。
日本三大花火大会のひとつとされている。
最初、その規模を舐めている。
会場に着いて、スターマインが始まった瞬間に後悔した。
舐めていたことを、だ。
音が違う。
地面から響いてくる振動が、胃のあたりに来る。
空が、本当に割れるみたいに見える。
競技大会なので、花火師がジャンルごとに技術を競う形式だ。
割物・スターマイン・創造花火と続く構成は、3時間近く飽きない。
観覧席は有料(4,000円〜)と無料エリアがある。
有料席は半年前から争奪戦になる。
無料エリアでも十分すぎるほど見える。
帰りの電車は1〜2時間待ちを覚悟すること。
近くのコンビニは17時には棚が空になる。
準備は早めに、が鉄則だ。