東京から車で約2時間半。 標高1000mを超えると、空気がぜんぜん違う。 夏でも20℃を下回る朝がある。 群馬の奥地、嬬恋村。 ここは浅間山と広大なキャベツ畑に囲まれた、日本でも珍しい高原の村だ。 「避暑」という言葉がこれほど似合う場所を、ほかに知らない。
嬬恋のおすすめスポット
愛妻の丘|叫んで、笑って、風が全部持っていく
「愛してるよーっ!」
丘の上で、見知らぬおじさんが叫んでいた。
それを見て、なぜか泣きそうになった。
愛妻の丘は、嬬恋村の名前の由来にちなんだスポットだ。
日本武尊がここから「吾妻よ」と叫んだという伝説が残っている。
その話を聞いてから来ると、景色の見え方が変わる。
丘の上に立つと、眼下にキャベツ畑が広がる。
7月の畑は緑が濃くて、浅間山がその奥に鎮座している。
この構図、本当に絵みたいだ。
「愛の叫び台」という木製のプラットフォームがある。
無料で登れる。
誰でも使えるマイクもある。
ためらっていたけれど、結局叫んだ。
すっきりした。
駐車場から丘の頂上まで徒歩5分ほど。
朝6時台から来れるので、早起きして誰もいない時間に行くのがおすすめだ。
朝霧がかかっていたら、それだけで来た価値がある。
鬼押出し園|1783年の噴火が、今も地面にある
ゴツゴツした岩が、どこまでも続いている。
これが全部、浅間山の溶岩だと知ったとき、鳥肌が立った。
1783年の天明大噴火で流れ出した溶岩が固まってできた場所。
約240年前の噴火の跡が、今でもそのまま残っている。
どこを見ても荒々しくて、美しくて、怖い。
園内を歩くと、溶岩の隙間から草木が生えている。
厳しい環境でも植物は育つ。
それがやけに胸に刺さった。
コースは大回りで約1時間。
途中に浅間山が正面に見えるポイントがある。
曇りだと山頂が隠れることも多いので、晴れた午前中を狙いたい。
入場料は大人700円。
「高い」と思って入ったけれど、出るころには「安かった」と感じている。
敷地内に東叡山寛永寺の別院もある。
ひっそりとした本堂と、溶岩の景色のコントラストが不思議だ。
バラギ高原|人が少なくて、湖が静かで、時間が止まる
正直、ここが一番好きだ。
バラギ湖を中心にした静かな高原。
標高は1350m。
夏の昼でもTシャツ一枚だと肌寒い。
湖畔を一周歩いた。
約1.5kmで、のんびり歩いて30分。
湖面が風で揺れるたびに、浅間山と空の映り込みが変わる。
ずっと見ていられた。
観光客は少ない。
鬼押出しは人が多かったけれど、ここは静かだ。
「知る人ぞ知る」という感じ。
キャンプ場も隣接していて、夏のシーズンはテントが並ぶ。
夜は満天の星が見えると聞いた。
次は絶対に泊まる。
売店でソフトクリームを買った。350円。
高原の冷たい空気の中で食べるソフトクリームは、なぜかいつもの3倍うまい。
朝と夕方の光が特にきれいだ。
時間があれば、2回来てほしい場所だ。
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嬬恋への行き方
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