標高1955m。 四国の屋根と呼ばれる場所に、雲がかかっている。 リフトを降りた瞬間、風が変わる。 下界の暑さが嘘みたいに、空気がひんやりと冷たい。 ここに来ると、なぜか言葉が少なくなる。 山が、余計なものを削いでくれる気がした。
剣山のおすすめスポット
剣山リフト|8分間、雲の中に引き込まれていく
乗り場は見ノ越。
駐車場から歩いて5分ほどで着く。
リフトは一人乗りで、ゆっくりと動き出す。
足がぶらぶらと宙に浮く感覚。
最初はただの森の中を進む。
でも標高が上がるにつれて、木の背丈が低くなっていく。
そのうち霧が出てきた。
前のリフトが霞んで、消えそうになる。
8分ってこんなに長かったっけ。
いや、もっと乗っていたかった。
終点に近づくと、急に視界が開けた。
笹原が広がって、空が近い。
「あ、来た」と思う瞬間があった。
リフトを降りて振り返ると、下界がもう見えない。
上りは往復1200円。
歩いて登ることもできるけど、最初はリフトを使って正解だ。
体力を山頂のために取っておけた。
大剣神社|岩の間に、静けさが溜まっている
リフトを降りて、山頂へ向かう途中にある。
案内板に従って少し脇道に入ると、急に空気が変わった。
巨岩が目の前にどんと現れる。
「御塔石」と呼ばれる岩で、高さは10メートル以上ある。
その根元に小さな社がある。
観光客がぱらぱらといたけど、みんな自然と声が小さくなっている。
岩から流れ出る水は「不老長寿の水」と言われている。
飲んでみた。
冷たくて、澄んでいた。
おいしい、という以上に、なんか落ち着いた。
神社というより、岩そのものに力がある感じ。
宗教とか信仰とかあまり気にしないタイプでも、ここは素直に手を合わせたくなった。
山頂への道の途中にあるので、必ず通る。
5分だけでいいから、立ち止まってほしい場所だ。
剣山山頂|何もない。だから、全部が見える
山頂の手前で、笹原が広がる。
どこまでも続くような、なだらかな丘。
木が一本もない。
空だけがある。
天気が良ければ、四国山地が一望できる。
この日は少し霞んでいたけど、それでも十分だ。
山頂ヒュッテの近くにベンチがある。
そこで30分、ただ座っている。
誰かと話す気にならない。
スマホも出さない。
こんな気持ちになれる場所って、なかなかない。
標高1955m。
剣山は日本百名山のなかでも登りやすい山と言われている。
リフトを使えば山頂まで40〜50分で行ける。
でも「登りやすい」だけで選んだとしても、来てよかったと思うはずだ。
山頂ヒュッテでは温かいうどんが食べられる。
700円。
雲の上で食べるうどんは、味以上のものがあった。
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剣山への行き方
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