福岡から高速船で70分。 そこはもう、別の時間が流れている場所だ。 対馬は、韓国まで49kmしかない。 なのに日本の原風景が、びっくりするほどそのまま残っている。 ヤマネコがいて、古代の城跡があって、海峡を割く橋がある。 ここに来ると、自分がどこにいるのか、一瞬わからなくなる。
対馬のおすすめスポット
万関橋|海峡の真上に立つと、風が体を貫いていく
橋の長さは45m。
そんなに大きくない。
でも、立った瞬間に息を呑んだ。
左右に広がる浅茅湾のリアス式海岸。
エメラルドとダークグリーンが混ざった水の色。
正直、沖縄より好きだ。
この水道は1900年、日本海軍が掘削したものだ。
もともとひとつながりの陸地だったところを、人の手で切り開いた。
歴史の話を後から知って、少し怖くなった。
橋の上から見下ろすと、水面がやたら近い。
高所恐怖症でなくても、ちょっと足がすくむ。
車も通るので、端に立って写真を撮るときは要注意だ。
夕方16時すぎに行ったら、光が海面に反射して全部金色になった。
その景色だけで、対馬に来た価値があった。
金田城跡|1300年前の石垣が、草の中にそのまま残っている
7世紀、天智天皇の時代に築かれた山城だ。
1300年以上前の話。
登山口から山頂まで、歩いて約40分。
道は整備されているようで、されていない。
急な斜面で、スニーカーだと何度か滑った。
でも途中から石垣が見えてくる。
コケに覆われて、木の根が絡みついて、それでも崩れていない。
その時、急に言葉をなくした。
整備もされていない、観光地化もされていない。
だから逆に、時間がそのままそこにある感じがした。
山頂からは対馬の山並みと海峡が一望できる。
晴れた日は韓国の山が見えると聞いて、目を凝らした。
霞んでいてよくわからなかったけど、確かになんか見えた気がした。
往復で約1時間半。
水は必ず500ml以上持っていくこと。
自販機は山にはない。
ツシマヤマネコ保護センター|柵の向こうで、野生が目を細めている
対馬にしかいない。
それだけで、会いに来る理由になった。
保護センターは比田勝の近く、島の北部にある。
入館料は無料だ。
ヤマネコは普通のネコより一回り大きい。
縞模様があって、目が真ん丸ではなく細長い。
確かに「野生」の顔をしている。
訪れた日、1頭が日当たりのいい場所で寝ている。
全然動かない。
15分くらいじっと待って、やっと顔を上げた。
その一瞬のために、ここまで来たんだ。
館内の展示もちゃんと読ませてくれる内容だ。
対馬の生態系がいかに特殊で、なぜヤマネコが絶滅危機なのか。
読むうちに、対馬という島の意味が変わってきた。
現在の生息数は100頭前後と言われている。
それを知ってから見ると、会えたことがすごく貴重に感じた。
モデルコース
対馬への行き方
HUB CITY
福岡(拠点都市)から行ける旅先を見る →