石段が、1015段ある。 数えながら登った人もいる。 途中で何度も立ち止まった。 息が切れたとき、ふと振り返ると、山がそこにあった。 山寺はそういう場所だ。 絶景を「見に行く」というより、自分の足で「たどり着く」場所。 たどり着いた先に待っているものが、たしかにあった。
山寺のおすすめスポット
立石寺|1015段の先に、静けさがある
登山口に立ったとき、正直なめている。
「1000段くらいなら」。
甘かった。
石段は均一じゃない。
段差が高いところ、狭いところ、濡れて滑るところ。
ひとつひとつ確認しながら登ることになる。
途中で何度も止まった。
息を整えるふりをして、木々の隙間から下を見た。
仙山線の線路が、おもちゃみたいに小さかった。
参拝料は300円。
朝8時から入れる。
早朝がいい。
観光客が少なく、空気が違う。
岩に刻まれた石仏が、あちこちに現れる。
いつ彫られたのか、誰が彫ったのか。
それを考えながら歩くと、足の疲れが少し消える。
奥之院にたどり着いたとき、声が出ない。
うれしいとか感動とか、そういう言葉じゃなくて、ただ静かな気持ちになった。
こういう体験のために、旅をしているんだ。
山門|ここから先の空気が変わる
山門をくぐる前と後で、空気が変わる。
気のせいだ。
でも確実に変わる。
仁王門とも呼ばれるこの門、建てられたのは1848年。
今の自分より150年以上前から、ここに立っている。
木の柱に手を触れた。
少し湿っている。
苔の匂いがした。
門の両側に立つ仁王像は、思ったより迫力があった。
写真で見るより、実物の方が大きい。
顔の表情がリアルで、目が合った気がして少し怖かった。
観光で来たんだけど、なぜか背筋が伸びた。
参拝している地元のお年寄りを見て、この場所が生きた信仰の場だと改めて気づいた。
ここが、本当の山寺の「入口」だ。
石段の始まりじゃなくて、山門が始まりだ。
そういう場所だ。
五大堂展望台|山形盆地が、一枚の絵になる
五大堂は、崖の先端に突き出るように建っている。
柵の外は、何もない。
そのまま落ちそうな気がして、足がすくんだ。
高さは60メートルほど。
山寺の中では最も眺望が開けた場所だ。
晴れている。
山形盆地がどこまでも広がっている。
遠くに蔵王の稜線が見える。
手前には仙山線の線路と、小さな山寺の集落。
風が強かった。
カメラを構えたら、手が震えた。
寒さじゃなくて、なんか圧倒されてしまった。
10分くらい、ぼーっと立っている。
誰も話しかけてこない。
みんな、それぞれに黙って景色を見ている。
こういう場所は写真に収めにくい。
広すぎて、画角に収まらない。
目で見た方がいい。
1015段、登ってよかったと心から思った瞬間だ。
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山寺への行き方
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