湯気が立ちのぼる朝の街を歩いていると、 ふいに三味線の音が聞こえる。 山鹿は、そういう街だ。 温泉があって、祭りがあって、 江戸時代からの道がそのまま残っている。 観光地っぽさがない。 なのに、ちゃんと深い。 冬に来るのが、個人的にはいちばんいいと思っている。
山鹿のおすすめスポット
山鹿灯籠民芸館|和紙だけで、あんなものが作れるのか
入館料300円を払って中に入った瞬間、
声が出ない。
山鹿灯籠は、木も金属も使わない。
和紙と糊だけで作られている。
それなのに、どこか金細工みたいに見える。
展示されている灯籠のうち、
最大のものは高さ1メートルを超える。
近づいて見ると、細工が信じられないほど細かい。
「これを頭に乗せて踊るのか」。
8月の山鹿灯籠まつりでは、
女性たちが頭にこれを乗せて踊る。
実際の祭りは見ていないけれど、
映像コーナーで流れている映像だけで、
なぜか胸が熱くなった。
体験コーナーもある。
小さな灯籠作りに30分ほど挑戦したが、
正直、全然うまくいかない。
だからこそ、職人の技がどれだけすごいか分かった。
帰るころには、まつりの時期に来たくなっている。
豊前街道|江戸時代の道が、ふつうに続いている
観光用に「再現」された街道じゃない。
そこが好きだ。
豊前街道は、江戸時代に参勤交代で使われた道だ。
今も生活道路として残っていて、
酒屋があって、豆腐屋があって、
普段着のおばあさんが自転車で走っていく。
石畳が続く区間は300メートルほど。
短いといえば短い。
でも、歩く速度を落とすと
いろんなものが見えてくる。
格子戸の商家、
年季の入った看板、
路地の奥に続く裏道。
冬の午後、人通りが少ない時間に歩いた。
自分の足音だけが聞こえる。
こういう体験は、混んでいる時期にはできない。
カフェや雑貨屋が何軒かある。
古い建物をそのまま使っているところが多くて、
入るだけでなんとなく落ち着く。
昼ごはんを食べるなら、街道沿いの定食屋がいい。
豆腐料理が名物で、600円で腹がふくれる。
八千代座|100年前の劇場が、今も現役なのが信じられない
1910年に建てられた芝居小屋だ。
外観はどこか地味で、
「本当にここか」と思いながら入った。
中に入ると、空気が変わる。
花道がある。
奈落がある。
桟敷席がある。
すべて当時のまま残っていて、
実際に今でも公演が行われている。
入場料650円で見学できる。
天井を見上げると、
ビールや醤油の広告が描かれている。
明治・大正の広告が、そのまま残っている。
これが妙におかしくて、妙に愛おしい。
舞台に上がれるコースもある(要予約)。
花道の上に立つと、
空の客席がぐるりと見える。
ここで役者たちが何千回も演じてきたんだら、
少しだけ静かな気持ちになった。
公演がある日に来られたら、最高だ。
スケジュールは公式サイトで確認してほしい。
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山鹿への行き方
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