東京から1時間ちょっと。 そこに、こんな場所があったのか。 軍港の街・横須賀は、ただの「基地の町」じゃない。 無人島に渡れて、戦艦が見られて、海軍カレーが食べられる。 しかも全部、半日で回れてしまう。 知らずに素通りしていた自分が、少しもったいない。
横須賀のおすすめスポット
猿島|東京湾に浮かぶ、苔むした要塞跡
三笠桟橋からフェリーで約10分。
料金は往復1,400円。
そんな短い距離なのに、着いた瞬間に空気が変わった。
猿島は東京湾唯一の無人島。
かつて幕末から戦前にかけ、要塞として使われている。
島に上陸して歩き始めると、すぐにレンガ造りのトンネルが現れる。
明治時代のもの。
コケが壁を覆って、ひんやりしている。
観光地っぽい整備はされていない。
そのぶん、本物の廃墟感がある。
「ここで本当に人が暮らしていたのか」と思うと、足が止まった。
島内は一周約40分。
BBQエリアもあって、家族連れがにぎやかに焼いている。
廃墟と肉の煙が同居している、不思議な島だ。
夏は混む。
平日の午前便がいちばん静かで、遺跡を独り占めできる。
ヴェルニー公園|バラと護衛艦が、同じ景色に収まる
横須賀駅を出て、徒歩2分。
海沿いに、いきなりバラ園が広がった。
ヴェルニー公園。
約1,700株のバラが植えられている。
春(5月)と秋(10月)が見ごろで、入園は無料。
ここが面白いのは、バラの向こうに海軍基地が見えること。
護衛艦がぴったり横付けされていて、艦番号がはっきり読める距離感。
「こんな近くに本物の軍艦が停まっているのか」と、少し笑えた。
フランス人技術者・ヴェルニーは幕末、日本初の近代的な造船所をここに作った。
今も公園の一角に、その石碑と顕彰館が残っている。
入館料は無料で、小さいけど資料が丁寧にまとめられている。
のんびりベンチに座って護衛艦を眺めながら缶コーヒーを飲んだ。
そういう使い方がいちばん似合う公園だ。
三笠公園|戦艦三笠と、海軍カレーと、夕暮れ
汐入から歩いて約15分。
三笠公園に着いたとき、まず「でかい」。
戦艦三笠が、公園のど真ん中に保存されている。
日露戦争で連合艦隊旗艦を務めた、あの三笠。
船体に触れられるし、甲板にも上がれる。
入場料は600円。
艦内の展示は思ったより細かくて、気づいたら1時間経っている。
東郷平八郎の肖像が至るところにある。
当時の司令部の雰囲気が、そのまま残っている感じがした。
そして三笠公園に来たなら、海軍カレーは外せない。
公園周辺に専門店が複数ある。
ルーが分けてあって、白米にかけながら食べるスタイルが正統派らしい。
牛乳と生野菜サラダがセットなのも、当時の海軍レシピを再現しているから。
初めて知ったとき、少し感動した。
夕方、三笠の甲板から東京湾を眺めた。
猿島が小さく見える。