東京から新幹線と在来線を乗り継いで、約3時間。 たどり着いた先は、茅葺き屋根の無人駅だ。 ホームに降りた瞬間、空気が変わる。 杉の香りと、川の音。 ここは福島・南会津。 湯野上温泉は、まだ「秘境」という言葉が似合う場所だ。
湯野上温泉のおすすめスポット
湯野上温泉駅|日本で唯一、囲炉裏がある駅
改札を抜けると、囲炉裏があった。
駅の中に、本物の火が燃えている。
思わず立ち止まった。
湯野上温泉駅は、会津鉄道の駅。
茅葺き屋根の駅舎は、全国でもここだけだ。
築年数は古く、昭和時代からこの姿を保ってきた。
待合室には囲炉裏が切られていて、冬は薪がくべられる。
灰の上でスルメを焼いているおじさんがいた。
観光客じゃなくて、地元の人だ。
その光景が、なぜかずっと頭から離れない。
駅を出ると、目の前は大川渓谷。
紅葉の季節は10月下旬から11月上旬がピーク。
オレンジと赤に染まった山が、川面に映る。
ここだけで1時間潰せる。
無人駅なので、自由に入れる。
観光列車「お座トロ展望列車」は事前予約が必要。
料金は別途520円〜で、渓谷沿いをゆっくり走る。
塔のへつり|川が1万年かけて彫った、異世界
湯野上温泉駅から歩いて20分ほど。
橋を渡った先に、その景色がある。
「へつり」とは、南会津の方言で断崖のこと。
大川の侵食と風化が、1万年以上かけて岩壁を削り出した。
その形が塔のように見えることから、塔のへつりと呼ばれる。
国の天然記念物に指定されている。
でも、金網も柵もほとんどない。
つり橋を渡って、岩の中をそのまま歩く。
足元は川。
落ちたらたぶんまずい。
そのスリルも含めて、ここの醍醐味だ。
紅葉期は特にすごかった。
赤と橙の岩壁が川に映り込んで、現実感がなくなる。
写真を撮ったけど、うまく伝わらない。
来ないとわからない景色というのがある。
入場料は無料。
駐車場は有料で1回200円。
近くに土産屋とそば屋が数軒あって、昼食もとれる。
混雑のピークは紅葉の週末の午前10〜13時。
早めの到着が正解。
大内宿|江戸時代が、まだ生きている
茅葺き屋根の家が、ずらっと並んでいる。
電線も、看板も、自販機もない。
江戸時代の宿場町が、そのまま残っている。
大内宿は、国選定の重要伝統的建造物群保存地区。
現在も40数軒が実際に暮らしながら、この景観を守っている。
住んでいる人たちがいる、というのが大きい。
観光のために作られた「なんちゃって古民家」じゃない。
名物は「ねぎそば」。
箸の代わりにネギ1本で食べる、あのそばだ。
1杯1,100円前後。
最初は「パフォーマンスでしょ」。
でもネギをかじりながらそばをすすると、辛みが加わって、これが意外と合う。
冬の大内宿は別格だ。
雪が屋根に積もって、全部白くなる。
観光客も減って、静かで、なぜかその方が本物感があった。
かんじきを履いて雪道を歩いたのは、いい思い出になった。
観光地として有名になりすぎた感もある。
でも、早朝や平日に来ると、本来の静けさが残っている。
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湯野上温泉への行き方
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