尾瀬の玄関口、片品村。 冬になると、あたりは雪に沈む。 温泉街は静かで、観光地っぽい騒がしさがない。 その静けさが、逆にいい。 湯に浸かって、窓の外の白い山を眺める。 それだけのために、ここに来た。 それだけで、十分だ。
片品村の山間に湧く片品温泉は、冬の粉雪が静寂を満たす季節に真価を発揮します。江戸時代から湯治場として栄えた歴史を持ち、現在も木造宿が軒を連ねる素朴な温泉街が残ります。硫黄の香りが漂う源泉掛け流しの湯に浸かれば、凍てつく外気と温泉の温度差が身体を芯から温め、湯けむりの向こうに白銀の山々が浮かぶ。雪の重みで音もなく静まり返った夜間散歩では、足元の白い積雪を踏みしめ、星々が湯気に吸収される幻想的な光景に包まれます。素朴な蕎麦処や地元産の山菜料理も、この地の冬の恵みを静かに語りかけてくれるでしょう。
片品温泉のおすすめスポット
片品温泉|雪の夜に、湯がしみていく
群馬県沼田市から車で約40分。
山道を抜けると、急に空が広くなる。
片品温泉に着いたのは夕方5時ごろだ。
源泉は単純硫黄泉。
ツンとした硫黄の匂いが、玄関の前でもう漂っている。
これだよ、この匂い、。
宿の露天風呂は、雪見風呂になっている。
気温はマイナス3度。
湯温は42度ほど。
その温度差が気持ちいい。
肌がやわらかくなる感覚がある。
いわゆる「美人の湯」系。
硫黄泉特有のぬめりがあって、上がった後もしばらく温かさが続いた。
夜9時を過ぎると、温泉街は静まり返る。
車もほとんど通らない。
その静けさに、最初は戸惑った。
でも翌朝、もう一度湯に入ったとき、これが正解だ。
何もない夜があるから、朝の湯が沁みる。
片品村の冬の街歩き|誰もいない道に、新雪が積もっている
朝8時。
宿を出て、集落を歩いてみた。
足元には昨夜降った雪。
誰も踏んでいない場所を選んで、歩いた。
ザクザクという音が気持ちいい。
民家の軒先に、つらら。
畑は一面の白。
山の稜線がくっきりと青空に浮かんでいた。
小さな共同湯もある。
「薬師の湯」と書かれた看板。
料金は200円。
地元の人が2人いただけで、すぐ出た。
でもその2人が笑顔で話しかけてくれた。
「東京から来たの? 物好きだねえ」と言われた。
嬉しかった。
片品村の中心部を歩いても30分かからない。
大きな観光スポットはない。
でも、なぜか飽きない。
雪の村を歩くこと自体が、もう体験だ。
冬にしか見えない景色がある。
それを見に来るだけでいい。
尾瀬戸倉エリア|冬の尾瀬は、別の顔をしている
片品温泉から車で15分ほど。
尾瀬の玄関口、戸倉エリアに向かった。
夏は観光客でにぎわうこの場所も、冬は違う顔をしている。
駐車場には車が数台。
売店も閉まっている。
でも、だからよかった。
鳩待峠へ向かう道は冬季通行止め。
入口付近から眺めるだけになった。
それでも、山の迫力は変わらない。
むしろ雪をまとった山は、夏より険しく見える。
そこで地元の人に話を聞いた。
「尾瀬は夏だけだと思ってる人が多いけど、冬は冬でいいよ」と言っている。
スノーシューで歩く人もいるらしい。
帰り道、戸倉の小さな食堂で昼を食べた。
舞茸の天ぷら定食、1,100円。
舞茸がでかい。
香りが違う。
片品村はきのこの産地でもある。
温泉より先に、これを目的にしてもいいくらいだ。
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片品温泉への行き方
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