青森市内から車で1時間ほど。 山道を走るうちに、だんだん静かになっていく。 秋元温泉は、観光地という感じがしない。 ひっそりと、山の中にある。 それがいい。 冬に来ると特にそう思う。 雪に埋もれた林の中に、湯気だけが立っている。
青森県の山あいに立つ温泉地。昭和の湯治場の空気をそのまま残す古い建物で、駐車場に車が数台という静けさの中でゆっくり湯に浸かれる。冬期は積雪で休業になる日があるため、訪問前に電話で確認したい。石けん・シャンプーは持参推奨、支払いは現金のみ。車で20分ほどの嶽温泉・嶽スキー場では、冬に温泉と雪山遊びを組み合わせられる。最寄りは新青森駅で、東京からは約6時間20分。バスかレンタカーで現地へ向かう。雪に埋もれた林に湯気が立つ。
秋元温泉のおすすめスポット
秋元温泉|雪の中に、白濁の湯だけがある
到着したのは午前10時ごろだ。
駐車場には車が2台。
静かすぎるくらい静かだ。
建物は古い。
昭和の湯治場、という雰囲気がそのまま残っている。
受付で料金を払う。
大人400円。
この値段でいいのか。
脱衣所は簡素だ。
ロッカーもない。
棚に服を置いて、扉を開ける。
湯はにごっている。
青白い、乳白色。
足を入れた瞬間、ぬるっとした感触がある。
硫黄の匂いがする。
でも強すぎない。
浴槽は小さい。
4〜5人入ればいっぱいになる。
窓の外は雪だ。
音がない。
お湯の音と、自分の呼吸だけ。
30分くらいいた。
出たくない。
そういう湯だ。
周辺の冬の林道|音が消える場所を歩いた
温泉の後、少し歩いてみた。
施設の裏手に、雪道が続いている。
誰もいない。
トレースもない。
ふかふかの雪が足首まで来た。
青森の冬山は、東北の中でもとりわけ静かだ。
風もない。
木の枝に雪が積もって、ぽたぽた落ちる音だけが聞こえる。
10分も歩けば、温泉の湯気が見えなくなる。
完全に山の中だ。
観光スポットでもなんでもない。
ただの林道だ。
でも、ここが一番よかっただ。
装備は必要だ。
防水の靴でないと、すぐに足が濡れる。
スノーブーツを持っていって正解だ。
カメラを持ってきたが、撮るより見ていたかった。
そういう景色だ。
帰り道の道の駅・浪岡|温泉の後の腹ごしらえ
温泉を出ると、猛烈に腹が減った。
あの湯は体に効く。
体が芯から温まるぶん、消耗する。
帰り道、国道を下りて浪岡の道の駅に寄った。
秋元温泉からは車で30分ほど。
ここに来たら、りんごを買う。
青森市よりも安かった。
袋いっぱいで600円だ。
食堂もある。
ランチに頼んだのは、豚汁定食。
750円。
味噌の味が濃くて、体に染みた。
温泉で開いた毛穴に、温かい汁が入っていくような感じ。
大げさではなく、そう思った。
お土産コーナーには、地元の漬物や乾物が並んでいる。
派手さはない。
でも、こういうところで買うものが一番長く手元に残る。
そう気づいたのは、何度も旅をしてからだ。
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秋元温泉への行き方
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